我が名はなんとか菜である!

主に技術系の記事を書きますが、ポエムも混入します。

U2724DEを買ったら画面が処理落ちする症状が発生したので原因を特定して直した

一度この記事を公開したあと、原因が違うことが判明して一旦下書きにしていたが、記事一覧を見て思い出したので内容を整理して公開しました。

6年間使っていたMSIのゲーミングモニタが壊れたのでこれを買った。

www.dell.com

僕が買った直後に 11%OFF セールやっててキレた

このモニタにした理由は以下

  • リフレッシュレートが120Hzと、ゲームを高フレームレートでやるのに必要最低限なスペックを備えている
  • KVM機能(ケーブルジャングルの改善のため)
  • デイジーチェーン機能(ケーブルジャングルの以下略)
  • Type-C(Thunderbolt4)入力があること(ケーブル以下略)

このうち、 デイジーチェーン機能 について、 デイジーチェーン(MST)を有効にしているとPC本体の負荷に関わらず処理落ちが発生し、ゲームはおろかマウスカーソルの移動が目に見えて飛ぶようになる という現象が発生した。

今回はその現象を色々試行錯誤の末になんとか原因?らしきものを特定して安定動作するようにしたので、誰か同じ症状を踏んだ人のために残しておく。

まず結論

色々と検証した結果、これは Dell Display Manager2 (DDM)が悪さをしているということになった。
サポートともやり取りしながら原因を探ったのだが、あるときにDDMを落とすと症状が起こらなくなることが分かった。
以前購入した U2127DE を接続しているときはこの症状が起こらず、今回購入した U2427DE を接続してデイジーチェーンを有効にしたときのみこの症状が起こることが試して分かった。
とりあえず症状が治まるまで DDM は起動しないで使用することにした。

症状

PCとモニターは以下のように接続していた。

PC <- DisplayPort -> U2724DE(今回買ったやつ) <- DisplayPort -> U2721DE(前から持ってたやつ) (2560x1440@60)

U2724DE でデイジーチェーン機能を使うには、モニターの設定を開いて

ディスプレイ>MST > オン

と設定する必要がある。ちなみにMSTとは Multi Stream Transport の略。
この機能を使うと一本のケーブルの中に複数のモニターの映像を流せるようになり、モニター1台1台に対してケーブルを伸ばさなくてよくなるためかなり配線をスッキリとさせられる。

しかしこの機能をONにしたところ、サブモニタへ画面が表示されたものの、それまで発生していなかった定期的な処理落ちが発生するようになった。
また、画面下半分にチラつきも発生した。
その結果、ストリートファイター6が安定して60fpsで動作しなくなり、プレイに大幅な支障を来すようになってしまった。
これでは死活問題なため、なぜこのような症状が出ているのか調査をすることにした。

試したこと

まず当たり前の話として、モニターに映像を流すというのはそれなりに帯域が必要な処理であるため、適当なケーブルを使っているとスペックが足りないということが割とよく起こる。
そのため、画面表示にチラつきや明滅などの症状が現れたときは要求される帯域幅にケーブルの転送速度が追いついていない可能性がある。

ありがたいことに、以下のIntelのサイトには、DisplayPortのバージョンによる帯域幅と、モニターにその解像度とリフレッシュレートで表示するのに必要な帯域幅の対応表が書かれている。

www.intel.co.jp

必要なものを抜粋すると、

2560×1440@120Hz -> 13.27Gbps
2560×1440@60Hz -> 6.64Gbps

つまり、

13.27Gbps + 6.64Gbps = 19.91Gbps

の帯域が必要であることがわかる。

19.91Gbps というと、最大有効帯域幅が 17.28Gbps しかない DisplayPort1.2 ではスペックが不足する。
数字上明らかに足りていないため、チラつきに関してはこれが原因であると容易に推測できた。

先程の構成図で、U2724DEとサブモニタを繋ぐ DisplayPort ケーブルについては、U2724DE付属のDisplayPort 1.4 対応ケーブルを使用していたため問題はなさそうだった。
しかし、PCとU2724DE間の接続については いつ買ったのかすら不明な謎のDisplayPortケーブル を使っていたため、家の中をひっくり返しておそらく DisplayPort 1.4 に対応していると思われるケーブルを探し出し、このケーブルでの接続に変えたところ、画面のチラつきは改善した。(ほんとは新しくケーブルを買おうとしてヨドバシ.comを眺めてたら前に買ったやつがDP1.4なのが判明したという感じ)

しかし、それでも画面の定期的な処理落ちが改善せず、これに3日間悩まされることになってしまった。

状況の整理

モニターの解像度を下げてみたりリフレッシュレートを落としてみたりしたが、わかったのは 「MSTを無効にすると症状が起きなくなる」 ということだった。
不思議だったのは、 Thunderbolt4 で接続している仕事用PCではこの問題が起きないか症状が非常に軽微であることだった。
このことから

  • PC上で処理落ちが発生するということは、モニターの、少なくとも表示部分には問題はないのではないか(DPケーブルの問題ではなさそう)
  • 要するにPC側に問題がある?
  • あるいはモニターのファームウェアやグラボの問題?

ということで順番にやっていくことにした。

グラボドライバの更新 -> 改善せず

なんか半年以上前のバージョンが当たってたので結構ありそうだったんだけど特に変化なし。
それにしてもモニターの接続が切れるたびにPCがめちゃくちゃ重くなるの気になる・・・

モニターのファームウェア更新 -> 不思議な挙動を見せるも、改善はせず

なぜか ファームウェアの更新が走っているときに限って画面の処理落ちが発生しなくなる という現象に遭遇。(実はこれは伏線だった)
かなり意味不明だったが、これでグラボがおかしい説は消せたので結果として問題切り分けの手がかりにはなった。(表示能力の問題ではなさそうなため)

サポートとやり取り、そして解決

自力での解決をあきらめ、Dellのサポートにメールを送ったところ、丁寧に対応してはもらったが原因の特定には至らなかった。
が、色々とガチャガチャやっていたところ、あるときに Dell Display Manager 2 というDell製モニター用の設定アプリを落とすと、それまで悩まされていた処理落ちが改善することに気が付いた。
つまり、ファームウェアの更新が走るときはDDMが自動終了するため、処理落ちが起こらなくなっていたということである。

その旨を返信すると、サポートとしてもDDMが原因と思われるという結論にならざるを得なかったようで、そのような返信が来た。(まあ、状況からしてそうなんだろうとは思うけど)

まあDDM自体はそんなに常駐させておく必要性はあんまりない(強いていえばショートカットキーによるモニタ出力切り替えが使えないのはちょっと不便だが)ので、現在まで常駐させずに使用している。

とりあえずそんな感じで、なんとか解決?はできた。

よかったよかった

高いモニターを買ったのにちゃんと動かなくてかなり気持ちが萎えてたんだけど、原因が判明して無事に症状が直ったのでとてもスッキリした。
それにしても、同様の症状を踏んでいる人がネット上に全く見かけないのは、このモニターをフル活用してる人があんまりいないのか、それとも僕がよほどアホなだけなのかどっちなんだろうか・・・。